私は、お客様にもスタッフにも常に言っていることがあります。それは「真心」です。不動産というのは愛がある人間しか扱ってはいけないと思っています。では、どういうところを普段から実践しているでしょうか。まず、弊社に賃貸管理をお任せいただきますと、空きがあれば看板をつけます。看板には、うちの会社のスケッチと、我々夫婦の顔が出ています。管理の看板にも出ていますし、入居者募集の看板にも出ています。顔を出すことで、「真心を持って私たちがお迎えします」ということを、借りる方に感じていただきたいと思って始めました。この看板に変わるだけで、物件を探している方の反応が全然違ってきます。不動産会社というのは電話するのが怖いというイメージがあります。しかし、顔を出すことでその恐怖感がなくなるのです。
また、建物の価値を上げるのに、お金をかけてリフォームするというのは最終手段なのです。私は、物件のお名前と号室を聞いただけで、入居者の方のお名前や家族構成を言うことが出来ます。それは日々、真心を持ち入居者の方と接しているからです。では社長の私が、このようなことを把握しているか把握していないかで何が違うのでしょうか。たとえば、新聞が三日くらいたまっていて、「○○さんは出張がある仕事ではない。おかしいな」と咄嗟の判断ができるかもしれません。また、電話をかけて、「○○ハイツの○号室です。」と言っただけで「こんにちは○○さん。」と言われたら、あなたはどう感じますか。嬉しいと思いませんか。これが人と人との付き合いなのです。こういう基本的なことが出来ることが、入居者に対して瞬時に危険を察知したり、サービスを良くしたりすることに繋がると私は思うのです。つまり、あなたの建物の価値を上げるには、まず社長が現場に出るということです。
リフォームをするにあたっても、社長が現場に出ることで「どのようなお部屋にするといいのか」というご提案が出来ます。最近、私がお客様にお話するのが「原点回帰」ということです。せっかく直すのなら、今の人たちが心地よいと思えるように直すべきだと思っています。たとえば、本当に「壁紙はクロスが良いのか」ということです。もともと日本の家は、土壁や塗り壁など自然素材が使われていました。それが、ぼろぼろ落ちたり汚いといった理由で、安価なクロスに変わっていきました。しかし、今の若い人は古民家や、丸い建物、脱クロスということにとても興味を持っています。
そこで、「原点回帰」という考えで、リフォームするにしても壊してしまうのではなく、クロスの上から珪藻土を塗ってみたのです。そうしましたら、若い人から「こういう部屋を探していた」と喜ばれたのです。珪藻土のような天然素材は、においを吸収したり、湿度を調整したりする機能を持っています。ですから、原点を見つめなおしてあまりお金をかけずに直していくことによって、非常に魅力的なお部屋になります。古くていいのです。その建物をより魅力的にするために少しだけ変えてみる。それを私たちと一緒にやってみませんか。